月給25万手取りは約20万円!年収・仕事・生活レベルをわかりやすく解説!

月給25万円という水準は、厚生労働省の統計によると、20代後半〜30代前半の平均的な給与に近い水準です。

手取りではおよそ20万円前後となり、生活に必要な基本的な支出はある程度カバーできる一方で、家族構成や住んでいる地域によって、感じる余裕には差が出てきます。

月給25万円の手取り早見表
項目 金額 備考
総支給額
基本給 250,000円 残業・手当なしの想定
控除項目
健康保険料 13,000円 協会けんぽ(東京都・40歳未満)
厚生年金保険料 23,000円 保険料率18.3%(会社と折半)
雇用保険料 1,500円 保険料率0.6%(令和6年時点)
所得税 4,680円 扶養なし
住民税 8,000円 前年年収300万円モデル
控除合計 47,180円
手取り月収 202,820円 実際に受け取る金額

※上記は独身・扶養親族なし・東京都在住・40歳未満のモデルケースです。お住まいの地域や扶養家族の有無、前年の所得などによって金額は変動します。

※この早見表は、独身・扶養なし・東京都在住・残業なしという一般的なモデルケースをもとに作成しています。実際の手取り額は、居住地や扶養の有無、保険の種類(組合健保など)、そして年末調整の有無などによって多少前後します。

独身で一人暮らしの場合と、夫婦二人暮らし、さらに子どもを育てる家庭では、支出の内訳や優先順位が大きく異なります。

同じ月給25万円でも、「どのような生活ができるのか」は家庭環境によって大きく変わるため、実際の数字で比較してみることが有効です。

この記事では、月給25万円の手取り額を前提に、独身・既婚・子育て世帯それぞれの生活イメージを具体的な支出例とともに紹介していきます。

目次

月給25万円の手取り額と内訳をシミュレーション!実際いくら残る?

月給25万円と聞くと、それなりに生活できそうな印象を持つ方も多いかもしれません。

しかし、実際に手元に残る金額、いわゆる「手取り額」は、想像よりも少ないと感じる方もいるのではないでしょうか。ここでは、月給25万円の場合に差し引かれる主な項目と、実際に受け取れる金額について、モデルケースをもとに生活シミュレーションをしてみます。

月給25万円の生活比較【地方 vs 都市】
一人暮らしの場合の支出モデル
支出項目 地方暮らし 都市暮らし
家賃 50,000円 80,000円
食費 30,000円 35,000円
水道光熱費 10,000円 12,000円
通信費 8,000円 9,000円
交通費 5,000円 10,000円
娯楽・交際費 15,000円 20,000円
日用品・雑費 10,000円 12,000円
貯金・積立 50,000円 10,000円
合計支出 178,000円 188,000円

※手取り月収を約20万円と想定した際のシミュレーションです。
※地方では「毎月約2万円多く貯金に回せる」イメージです。

一般的な正社員(会社員)として働く場合、給与からは社会保険料や税金が差し引かれます。主な項目としては、健康保険、厚生年金、雇用保険、そして所得税と住民税です。

居住地域や扶養の有無などによって多少の差はあるものの、これらを合計すると、おおよそ4万〜5万円程度が毎月控除されるのが一般的です。

月給25万円、手取りはいくら?
項目 金額(目安) 備考
月給(額面) 250,000円 基本給+手当などを含む総支給額
健康保険料 -13,000円 地域や保険組合により変動
厚生年金保険料 -23,000円 全国一律の料率に基づく
雇用保険料 -1,500円 給与の0.6%(令和6年度)
所得税 -4,680円 扶養なし、年収300万円程度の目安
住民税 -8,000円 前年の所得により決定
控除合計 -50,180円
手取り額(概算) 199,820円 実際に振り込まれる金額

※この表は、**独身・扶養なし・東京都在住・40歳未満**を想定したモデルケースです。
※実際の金額は、居住地や家族構成、各種手当の有無によって変動します。

たとえば、独身・扶養なしの会社員をモデルとすると、月給25万円に対して手取りはおよそ20万〜21万円程度になります。仮に厚生年金で約2万3,000円、健康保険で約1万3,000円、住民税と所得税で合わせて約8,000円〜1万円、雇用保険が数百円〜1,000円前後引かれると考えると、合計で約4万5,000円の控除となります。

月給25万円の基本的な天引き項目とは?

月給25万円をそのまま受け取れるわけではなく、給与からはさまざまな項目が差し引かれます。いわゆる「天引き」と呼ばれるこれらの項目は、法律で定められた社会保険料や税金が中心で、どの会社に勤めていても基本的には共通しています。

ここでは、代表的な天引き項目について簡潔に整理します。

まず大きな割合を占めるのが、健康保険と厚生年金です。健康保険は医療費の自己負担を軽減する制度で、会社員であれば多くの場合、協会けんぽや健康保険組合に加入しています。月給25万円の場合、地域や保険料率によって異なりますが、おおよそ1万2,000円〜1万5,000円ほどが差し引かれます。

次に厚生年金保険です。将来の年金受給に関わる重要な制度で、会社と個人が折半で保険料を負担します。個人負担分としては、月給25万円なら2万2,000円〜2万5,000円程度が一般的な水準です。なお、この金額は毎年変動する可能性があるため、最新の保険料率を確認することが重要です。

さらに、雇用保険料も引かれます。こちらは失業した場合の給付や育児休業給付などに使われるもので、保険料率は比較的低く、月給25万円なら300円〜500円程度となります。金額としては小さいものの、必ず引かれる項目です。

税金に関しては、所得税と住民税の2つがあります。所得税は毎月の給与に対して源泉徴収され、扶養家族の有無や年末調整によって金額が変動します。月給25万円で独身・扶養なしの場合、2,000円〜4,000円程度が目安です。住民税は前年の所得に基づいて計算され、毎月およそ7,000円〜1万円前後が控除されます。

天引き項目 金額(目安) 概要
健康保険 12,000円〜15,000円 医療費自己負担を軽減する保険。地域・組合により保険料率が異なる。
厚生年金 22,000円〜25,000円 老後の年金給付に関する保険。会社と個人で折半。
雇用保険 300円〜500円 失業手当や育児給付金などの財源。保険料率は低め。
所得税 2,000円〜4,000円 毎月の給与に対し源泉徴収。扶養の有無で変動。
住民税 7,000円〜10,000円 前年の所得に基づいて課税される。
天引き合計 45,000円〜50,000円 手取り額は20万円前後となる。

以上が、月給25万円から天引きされる主な項目です。合計すると、おおよそ4万5,000円〜5万円程度が差し引かれ、手取りは20万円前後となります。

独身・扶養あり・共働きで手取りはどう変わる?

独身で扶養家族がいない場合は、最も一般的なモデルケースとして多くの人に該当します。このケースでは、所得税・住民税の控除が最小限となるため、課税額はやや高めになります。月給25万円の場合、手取り額はおおよそ20万〜20万5,000円程度になるのが一般的です。特別な控除がない分、税金はしっかり引かれます。

一方で、配偶者や子どもなどの扶養家族がいる場合は、所得税の計算において「扶養控除」が適用されるため、課税対象となる所得が減少します。その結果、所得税や住民税が少なくなり、手取り額がやや増える傾向にあります。

たとえば、配偶者1人を扶養している場合には、独身時よりも月に1,000円〜2,000円ほど手取りが増えるケースがあります。ただし、住民税の反映は前年の所得に基づくため、効果がすぐに現れるわけではない点に注意が必要です。

共働きの場合は少し複雑です。夫婦ともに収入があるため、配偶者控除や扶養控除を受けられないケースが多くなります。そのため、手取り額としては独身と近い水準になることが多いです。ただし、各種手当や配偶者の収入次第で税金の計算が変わるため、一概に断定はできません。

このように、同じ月給25万円でも、家族構成や扶養状況によって実際の手取りには1,000円〜数千円の違いが生じることがあります。

実際の手取りはいくら?シミュレーション例で確認!

まずは「独身・扶養なし・東京都在住・残業なし」というシンプルなモデルケースです。この場合、健康保険料や厚生年金、雇用保険に加えて、所得税・住民税が控除されます。月給25万円に対して、概算で以下のような控除が発生します。

  • 健康保険:約13,000円
  • 厚生年金:約23,000円
  • 雇用保険:約750円
  • 所得税:約3,500円
  • 住民税:約8,000円

これらを合計すると、およそ48,000円前後が差し引かれることになり、手取り額は約20万2,000円となります。

次に、「配偶者を扶養している場合」を見てみましょう。扶養控除が適用されることで、所得税と住民税が軽減されます。同じ条件で計算すると、控除額は2,000円前後少なくなり、手取りは約20万4,000円程度に増える見込みです。劇的な差ではないものの、長期的には差額が積み重なっていきます。

最後に、共働き家庭で子どもを扶養しているケースも確認しておきましょう。扶養対象の人数が増えるほど税金の負担は軽くなるため、所得税や住民税はさらに下がります。仮に配偶者と子ども1人を扶養している場合は、手取り額が約20万6,000円ほどになるケースもあります。ただし、共働きで配偶者の年収が一定額を超えていると、扶養控除が適用されないこともあるため注意が必要です。

条件 控除合計(目安) 手取り額(概算) 備考
独身・扶養なし
東京都在住・残業なし
約48,250円 約201,750円 最も基本的なケース。税金・保険料の負担が重め。
配偶者を扶養している
(共働きでない場合)
約46,250円 約203,750円 扶養控除により所得税・住民税が軽減。
配偶者+子ども1人を扶養 約44,250円 約205,750円 扶養人数が多くなると、手取り額もやや増加。

月給25万円は日本の平均年収に対して高い?低い?

国税庁が発表した「民間給与実態統計調査」(令和5年分)によると、日本の給与所得者の平均年収は約458万円となっています。これを月給ベースに換算すると、ボーナスの有無にもよりますが、おおよそ月収38万〜40万円前後が平均水準と考えられます。したがって、月給25万円というのは、あくまで全体平均と比べるとやや低めの水準に位置していることがわかります。

項目 金額(目安) 補足
平均年収(日本全体) 約458万円 国税庁「民間給与実態統計調査」(令和5年)
月収換算(平均年収) 約38万〜40万円 賞与(ボーナス)込み想定
年収中央値(推定) 約360万円 民間調査による推計値
月収換算(中央値) 約25万円 月給25万円は中央値付近
月給25万円の位置づけ やや低め〜平均的 全体平均より下だが、ボリュームゾーンに含まれる

ただし、この「平均年収」は高所得者も含めた全体の平均であり、必ずしも大多数がこの金額をもらっているわけではありません。実際には、年収400万円未満の層が全体の約半数を占めるというデータもあり、平均よりも中央値で見るほうが実態に近いケースが多いのです。国によっては「中央値」を公表していませんが、さまざまな民間調査を総合すると、年収の中央値は360万円前後とされることが多く、これを月給に換算すると約25万円前後になります。

このように見ると、月給25万円は「全体平均よりはやや低め」ながら、「日本人のボリュームゾーンに含まれる水準」であるともいえます。特に20代後半〜30代前半に多い給与帯であり、地域や業種によっては十分に標準的な収入と評価されることもあります。

国税庁データや厚労省調査をベースに年齢別・地域別の平均と比較

月給25万円という金額が、実際にどの年齢層や地域で一般的なのかを知るためには、信頼性の高い統計データをもとに比較することが有効です。ここでは、国税庁の「民間給与実態統計調査」や厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」などの公的データを参考に、年齢別・地域別の給与水準と月給25万円の位置づけを確認していきます。

まず、年齢別の平均給与を見てみると、20代前半(20〜24歳)の平均月収はおよそ20万円前後、20代後半(25〜29歳)では23万〜24万円程度に上昇します。30代前半(30〜34歳)になると月収は平均25万円を超える水準に達し、30代後半では27万〜28万円台に進む傾向があります。つまり、月給25万円は20代後半〜30代前半の平均水準に比較的近く、この年代のボリュームゾーンに位置しているといえます。

次に、地域別で見てみましょう。都市部と地方では、同じ職種でも賃金水準に差があります。たとえば、東京都や神奈川県、大阪府といった都市部では、平均月収が30万円を超えるケースも珍しくありません。一方で、地方都市や郊外エリアでは、同じ正社員でも月給20万円台前半という水準が一般的であることもあります。

厚労省の「賃金構造基本統計調査」によると、例えば東京都の平均月収(全産業・全年齢)は約33万円、福岡県は約27万円、沖縄県では23万円台といった具合に、都道府県によって5万〜10万円程度の差が見られます。そのため、月給25万円が「高い」と感じられるか「少ない」と感じられるかは、住んでいる地域や生活コストにも大きく左右されるのです。

年齢層 平均月収(目安) 月給25万円との比較
20〜24歳 約20万円 やや高め
25〜29歳 約23万〜24万円 同水準〜やや高め
30〜34歳 約25万〜26万円 同水準
35〜39歳 約27万〜28万円 やや低め
地域 平均月収(全産業・全年齢) 月給25万円との比較
東京都 約33万円 低め
大阪府 約30万円 低め
福岡県 約27万円 やや低め
沖縄県 約23万円 やや高め
地方中小都市 約22万〜24万円 同水準〜やや高め

これらのデータからわかるのは、月給25万円という水準が「全国一律で平均的」とは言えないということです。年齢や地域によって、その意味合いは大きく変わります。収入を判断する際は、単に全国平均と比較するだけでなく、自分の属性や地域事情も考慮したうえでバランスを見極める視点が求められます。

地域・業種によって年収は大きく差が出る?

年収や月給は、年齢や学歴だけでなく、「どこで」「どんな仕事をしているか」によっても大きく異なります。つまり、月給25万円という収入が高いとされるか低いとされるかは、地域や業種によってその捉え方が変わるのです。ここでは、地域別・業種別の給与差について公的データをもとに確認していきます。

まず地域による違いを見てみると、賃金水準は都市部ほど高くなる傾向があります。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、東京都の平均月収は全国でも最も高く、約33万円前後となっています。一方で、沖縄県や青森県など一部地域では平均月収が25万円未満であり、同じ金額でも「都市部ではやや低め」「地方では標準以上」と評価が分かれることになります。家賃や物価も地域によって異なるため、収入と生活コストのバランスを考慮することが重要です。

次に業種別の差についてです。たとえば、金融・IT・製造業といった業界では、専門性や技術力が重視される傾向が強く、給与水準も比較的高めに設定されています。これに対し、介護・飲食・販売サービス業などは、地域密着型で人件費を抑える構造になっていることが多く、給与水準も相対的に低くなる傾向があります。

実際に、同じ年齢・学歴でも業種が異なれば、年収で100万円以上の差がつくことも珍しくありません。特にITや建設業界では、経験やスキルに応じて年収が大きく伸びるケースがあり、20代後半〜30代で年収500万円以上を得ている人も一定数存在します。

また、雇用形態の影響も無視できません。正社員と非正規社員では、基本給や手当の水準が異なるほか、昇給や賞与の制度も大きく異なります。たとえ同じ業種・同じ業務内容で働いていたとしても、契約内容によって年収は大きく変わってきます。

月給25万円の生活水準を独身・既婚・子ありで比較

月給25万円という収入で、どのような生活が可能なのか。これは家族構成や住んでいる地域、生活スタイルによって大きく異なります。ここでは「独身」「既婚(子なし)」「子あり世帯」の3つのケースに分けて、現実的な生活水準のイメージを比較してみましょう。

まず独身・一人暮らしの場合。住むエリアによって差はありますが、地方都市であれば家賃は5万〜6万円台、光熱費・通信費・食費・日用品を含めて、毎月の生活費はおおよそ15万〜17万円ほどに収まることが多いです。娯楽費や交際費をある程度抑えれば、数万円の貯金も可能な水準です。ただし、都市部で家賃が7万〜9万円を超える場合は、貯金が難しくなるか、日々の出費を切り詰める必要があります。

次に、既婚で配偶者と2人暮らしの場合。共働きかどうかによって負担感は変わりますが、月給25万円のみで生活するとなると、かなり綿密な家計管理が求められます。家賃や食費、水道光熱費が2人分となるため、月20万円近くが固定費・生活費に消え、残る余裕はわずかです。娯楽や外食を控え、日用品も価格重視で選ぶなど、慎ましい生活を前提とする必要があります。

家族構成 生活費の目安 生活水準の特徴
独身・一人暮らし 15万〜17万円前後 地方なら家賃5万〜6万円台でやりくり可能。
都市部は家賃が高く貯金が難しいケースも。
節約すれば毎月数万円の貯金も可能。
既婚(配偶者と2人暮らし) 約20万円前後 支出が2人分に増えるため、綿密な家計管理が必要。
娯楽や外食は控えめに。
生活費を抑える工夫が求められる。
子どもあり(配偶者+子1人) 20万円以上+児童手当など 教育費や保育料などで出費が大幅に増加。
貯金の余裕はほとんどない。
補助制度を活用しながら生活する必要あり。

子どもがいる家庭になると、状況はさらに厳しくなります。保育料や教育費、医療費、子ども用品などが加わり、月の支出は一気に膨らみます。仮に配偶者がパートや時短勤務の場合でも、家計にゆとりを持たせるのは難しく、自治体の補助や児童手当をうまく活用しながら生活する形になります。貯金をする余裕はほとんどなく、急な出費には対応しにくい状況に陥りやすいでしょう。

独身一人暮らしでの月給25万円の生活水準は?地方と都市でどう違う?

独身で一人暮らしをしている場合、月給25万円でも比較的自由度のある生活が可能です。ただし、その暮らしぶりは「どこに住んでいるか」によって大きく変わります。地方都市と都市圏では、家賃や物価に差があるため、同じ収入でも感じる余裕は異なります。ここでは、地方と都市のケースに分けて、現実的な生活イメージを整理してみましょう。

項目 地方都市で一人暮らし 都市部で一人暮らし
家賃 45,000円 90,000円
食費 25,000円 35,000円
水道光熱費 10,000円 12,000円
通信費(スマホ・Wi-Fi) 8,000円 9,000円
交通費 5,000円 10,000円
娯楽・交際費 20,000円 25,000円
その他(衣類・日用品など) 10,000円 12,000円
生活費 合計 123,000円 193,000円
手取り収入(目安) 200,000円 200,000円
貯金可能額(概算) 77,000円 7,000円
生活の特徴 支出を抑えやすく、貯金もしやすい。
車を持っていても維持しやすい。
支出は多いが利便性が高く、
外食・娯楽などの選択肢が豊富。

まず地方都市で一人暮らしをしている場合、家賃は比較的安価で、ワンルーム〜1DKでも月4万〜6万円台で借りることができます。生活費も全体的に抑えやすく、食費や日用品も比較的安く手に入るため、月の支出はトータルで15万円前後に収まることもあります。この場合、趣味や交際費にある程度お金を使っても、数万円の貯金をする余裕が見込めます。車を所有していても、地方では駐車場代が安い、ガソリンが比較的安いといった点で支出をコントロールしやすいのも特徴です。

一方で、東京都心部や大阪・名古屋といった都市圏で暮らす場合、家賃は一気に跳ね上がります。駅から近い物件やセキュリティ面の整った物件を選ぶと、ワンルームでも8万〜10万円近くかかることも珍しくありません。さらに、外食や日用品の価格も高めで、公共交通機関の利用頻度も増えることから、生活費全体は月18万円〜20万円に届くこともあります。この場合、貯金や趣味への支出はかなり意識的に抑える必要があります。

とはいえ、都市部には交通の便が良く、娯楽や買い物の選択肢が多いというメリットもあります。出費は増えるものの、その分ライフスタイルの幅も広がるため、生活の質を重視したい人にとっては納得感のある選択となるでしょう。

月給25万円の夫婦二人暮らしは共働きと片働きでどれだけ変わる?

月給25万円で夫婦二人暮らしをする場合、共働きか片働きかによって生活の余裕は大きく変わります。同じ家族構成でも、収入源が1つなのか2つなのかで、日々の出費への感じ方や将来への備え方に大きな差が出るため、ここではそれぞれのケースを見比べてみます。

まず共働きのケースでは、配偶者にも安定した収入があるため、家計にはある程度の余裕が生まれます。仮に夫婦ともに月給25万円の場合、世帯収入は50万円となり、住居費や生活費を分担しながら生活できます。家賃を10万円と想定しても、食費や光熱費、通信費などを合わせて月20万〜25万円程度で抑えれば、残った金額を貯金や趣味、レジャーに回すことも可能です。二人で協力しながら無理のない支出管理ができれば、将来に向けた資産形成もしやすくなります。

項目 共働き(夫婦ともに月給25万円) 片働き(夫のみ月給25万円)
世帯収入 500,000円 250,000円
家賃 100,000円(2LDK想定) 70,000円(1LDK〜2DK想定)
食費 50,000円 35,000円
水道光熱費 15,000円 12,000円
通信費(スマホ・Wi-Fi) 12,000円 10,000円
日用品・雑費 10,000円 8,000円
娯楽・交際費 30,000円 10,000円
生活費 合計 217,000円 145,000円
貯金・余剰金(目安) 約280,000円 約105,000円
生活の特徴 経済的な余裕があり、趣味や旅行、将来の資産形成もしやすい。
支出を分担できるため精神的な負担も軽め。
支出の見直しが前提。
突発的な支出に弱く、節約前提の生活設計が必要。

一方で、片働きのケースでは事情が大きく異なります。たとえば、配偶者が専業主婦(夫)である場合や、育児や病気などで働けない状況にある場合、月給25万円が家計のすべてを支えることになります。

この場合、住居費や生活費を節約する必要があり、家賃は6〜8万円、食費・光熱費・日用品などを含めて月15万〜18万円で収めるのが現実的なラインです。とはいえ、突発的な支出や冠婚葬祭、家電の買い替えといった出費があると、貯金が難しくなり、生活の不安定さが増す可能性もあります。

片働き家庭であっても、収入に対して支出を見直し、固定費を抑えた家計管理ができていれば、なんとかバランスを保つことは可能です。しかし、子どもが生まれたタイミングや、住宅ローンを抱えている状況では、月給25万円だけで安定した生活を送るのはやや厳しいというのが現実でしょう。

月給25万円の子育て世帯の現実は?子ども1人と2人で家計に差は?

月給25万円で子育てをするとなると、家計には相応のやりくりが求められます。特に子どもが1人か2人かによって支出の総額が大きく変わり、生活費の圧迫度や将来に向けた備えにも影響を及ぼします。ここでは、子ども1人・2人の世帯それぞれにおいて、現実的な生活イメージを整理してみます。

まず、子どもが1人いる家庭の場合。年齢にもよりますが、保育料、おむつやミルク代、衣類、医療費など、毎月の育児関連支出は2万〜4万円程度が一般的です。保育料については、自治体の助成や収入に応じた軽減制度があるため、月1万円台に抑えられるケースもあります。ただし、食費や日用品も含めると、全体の支出は確実に増えるため、手取り20万円前後でのやりくりには一定の工夫が必要です。片働き家庭では、児童手当などの公的支援が生活の支えとなるケースも少なくありません。

一方で、子どもが2人になると支出はさらに増加します。衣類や保育料が2人分になることに加え、年齢が上がれば習い事や学用品、医療費もかさみます。とくに就学期に入ると、学校関連の出費や給食費、交通費なども加わり、毎月の育児費用は5万円を超えることも珍しくありません。家賃や住居の広さに関する制約も出やすく、生活費のうち固定費の占める割合が増える傾向にあります。

項目 子ども1人 子ども2人
家賃(2DK〜3DK想定) 65,000円 75,000円
食費(大人2人+子) 40,000円 50,000円
水道光熱費 12,000円 15,000円
通信費(スマホ・Wi-Fi) 10,000円 10,000円
育児関連費(保育料・おむつ・医療費など) 30,000円 55,000円
日用品・衣類・雑費 10,000円 15,000円
交通費・ガソリン代など 5,000円 8,000円
生活費 合計 172,000円 228,000円
手取り収入(目安) 200,000円 200,000円
毎月の残金(目安) 約28,000円 ▲28,000円(赤字)
生活の特徴 助成や児童手当を活用すれば、最低限の貯金も可能。
家計管理でバランスは取れるが、余裕は少なめ。
収入が1本では赤字になりやすく、
共働きや補助制度の活用が不可欠。
教育費や緊急支出の準備が課題。

共働きで世帯収入を補えていれば、一定の余裕が生まれる場合もありますが、それでも2人の子育てには計画的な支出管理が欠かせません。将来的な教育費まで見据えると、児童手当や保育無償化制度だけではカバーしきれない場面も多く、家計の中に「積立」や「緊急時の備え」をどう組み込むかが重要になります。

月給25万円の人はどんな仕事をしているのか?

職種・業界 具体例 特徴・補足
営業職 法人営業、ルート営業、携帯販売営業など インセンティブなしの固定給型で月給25万円前後が一般的
事務職 一般事務、営業事務、カスタマーサポート 経験3年以上で到達するケースが多い。地域によっては高めに評価される
技術職 CADオペレーター、施工管理、フィールドエンジニア 資格や現場経験が昇給に直結しやすい職種
IT・WEB系 初級エンジニア、社内SE、テスター 未経験入社やSES系では25万円がスタートラインになりやすい
製造・工場系 ラインリーダー、設備保全、品質管理 交替勤務や夜勤手当で月給を補うパターンが多い
サービス・介護系 介護職(夜勤あり)、飲食店の副店長、ホテルフロント 基本給が低くても手当で25万円に届くケースあり
運輸・物流系 倉庫管理、ドライバー(中型)、配送スタッフ 残業・深夜手当込みで25万円を実現していることが多い

厚生労働省の統計や求人情報などをもとに見ていくと、月給25万円は主に20代後半〜30代前半の会社員に多く見られる水準です。新卒や第二新卒ではまだこの水準に届かないことが多く、ある程度の実務経験を積んだ段階で達する給与帯といえます。職種としては、営業職や事務職、技術職、接客業など幅広く、いわゆる“中堅層”の平均的な給与として設定されているケースが多くなっています。

具体的には、法人営業やカスタマーサポート、施工管理、ITエンジニアの初級職、製造業の現場リーダーなどが該当します。資格や専門性が求められる職種でも、経験年数が浅い場合には月給25万円前後からスタートし、徐々に昇給していく給与設計が一般的です。また、夜勤やシフト勤務を伴う介護職や物流業界などでは、基本給が22万円程度であっても、各種手当を含めて25万円前後に到達するケースもあります。

ただし、同じ月給25万円でも、その構成内容によって手取りや将来の昇給幅は大きく異なります。基本給が高い場合は賞与や昇給の対象が広がりますが、手当や残業代込みの場合は、将来的に収入が伸びにくい可能性もあります。月給の金額だけで判断するのではなく、給与明細の内訳や年収ベースでの見通しを確認することが重要です。

また、地域によっても月給25万円の価値は異なります。地方では高めに評価される一方、都市部では生活コストとのバランスを考えると「ごく普通」と捉えられることもあります。

業種・職種別の傾向(正社員・契約社員・地方勤務など)

月給25万円の給与帯に該当する人は、業種や職種、雇用形態、勤務エリアによって分布が異なります。同じ金額でも、その背景にある労働環境や待遇には差があるため、自分の立ち位置を把握するうえでも、傾向を知っておくことは重要です。

月給25万円の業種・職種・勤務地別傾向
正社員

営業職、事務職、IT初級エンジニア、介護・製造業の現場職などが該当します。

安定した雇用と賞与があり、インセンティブや手当で25万円に達することも多いです。

契約・派遣社員

営業アシスタントや一般事務、IT系オペレーターなどに求人があります。

• 首都圏を中心にこの水準の求人が多いですが、賞与がないため年収ベースでは正社員より低い傾向にあります。

地方勤務

製造業や建設業、地方の営業職などが該当します。

• 物価が安い分、25万円はやや高めの水準です。中堅社員や管理職候補の給与帯にあたることもあります。

都市部勤務

IT職、若手営業職、コールセンターSVなどに多いです。

• 物価が高いため、25万円は平均的〜やや低めの位置づけ。若手でも到達しやすい水準です。

手当込みのケース

介護職、保育士、警備員、飲食店社員などが挙げられます。

• 基本給が低くても、夜勤・資格手当を含めて25万円に達するパターンです。昇給や賞与が少ないこともあります。

まず、正社員として月給25万円を得ているケースでは、営業職や事務職、製造業のラインリーダー、介護・福祉分野の現場職、IT系の初級エンジニアなどが挙げられます。特に営業職では、基本給に加えてインセンティブが支給されることもあり、基本月給25万円でも成果によって収入が変動する設計になっている企業が多く見られます。

区分 該当職種・業種 特徴・傾向
正社員 営業職、事務職、製造ラインリーダー、介護職、IT初級職など 安定した雇用で賞与あり。
インセンティブや手当込みで25万円に達するケースも多い。
契約社員・派遣社員 営業アシスタント、一般事務、IT系オペレーターなど 首都圏中心に25万円程度の求人が存在。
年収ベースでは賞与なしのためやや劣る。
地方勤務(正社員) 製造業、建設業、地方の営業・事務職など 地方では25万円はやや高めの水準。
中堅社員や管理職候補に相当することもある。
都市部勤務(正社員) 若手営業職、IT職、コールセンターSVなど 物価が高く、月給25万円は「平均的〜やや低め」の位置づけ。
若手でも到達可能な給与水準。
手当込みのケース 介護職、保育士、警備員、飲食店社員など 基本給が低めでも、夜勤手当・資格手当で25万円に達する。
昇給・賞与が少ないケースもある。

事務職では、企業の規模や業界によって差があり、中小企業では20万円台前半、大手企業や専門スキルを伴う職種では25万円を超える場合もあります。介護や保育などの現場職でも、資格手当や夜勤手当を含めて月給25万円前後に届くことがありますが、これらは手当込みの金額であることが多く、基本給が低めに設定されているケースもあります。

契約社員や派遣社員においても、職種によっては月給25万円程度の求人は存在します。特にIT系、営業補助、一般事務などでは、首都圏を中心にこの水準の案件が多く、即戦力としてのスキルや経験が求められます。ただし、契約社員は賞与や退職金が支給されない場合もあるため、実質的な年収で見ると正社員より下回ることもあります。

また、地方勤務においては、月給25万円は比較的高めの水準に位置づけられます。地方では物価や家賃が安い分、企業の給与水準も抑えられる傾向があり、月給20万円台後半の求人は中堅社員や管理職候補といった役割にあたることも少なくありません。一方で、都市部では新卒から数年の若手社員がこの水準に達することも多く、地域によって給与水準の感覚に差が出ます。

月給25万円をもらうまでにかかる年数やキャリアパス

月給25万円へのキャリアパスと年数
STEP 1:大学卒業・就職

新卒入社時の初任給は20万〜23万円程度が一般的です。

ここがキャリアのスタート地点となります。

STEP 2:昇給・成果を出す

年1回の昇給などを経て、入社2〜4年目に月給25万円に到達するケースが多いです。

この時期は、営業職なら売上目標の達成、技術職ならスキルアップなど、個人の成果が評価に直結します。

STEP 3:月給25万円に到達

多くの人は20代後半〜30代前半でこの水準に達します。

ここからさらにキャリアアップを目指す場合は、チームリーダーなどのマネジメント経験が給与アップの鍵になります。

【キャリアの注意点】

▪️業界・職種による差:ITや金融業界は到達が早い一方、サービス業などは時間がかかる傾向があります。

▪️雇用形態:非正規雇用の場合、安定的な昇給制度がないため、正社員に比べて時間がかかる場合があります。

▪️昇給の条件:年功序列だけでなく、個人の成果やスキル、資格取得なども重要な評価基準になります。

大学卒業後に正社員として就職した場合、多くの企業では初任給が20万〜23万円程度に設定されています。

ここから、年1回の昇給を経て、2〜4年目あたりで月給25万円に届くケースが一般的です。早ければ20代後半、遅ければ30代前半で到達するラインとも言えます。昇給のスピードは企業の業績や評価制度によっても異なりますが、一定の成果や責任を果たすことが前提になる場合が多く、年功序列だけで自然に到達するとは限りません。

たとえば、営業職であれば売上目標の達成度、技術職であればスキルや資格の保有、事務職であれば業務の正確性や効率化への貢献など、評価基準は職種ごとに異なります。また、チームのリーダーや後輩育成といったマネジメント要素が加わると、給与面での加算がある企業もあります。

一方、非正規雇用や転職を繰り返すキャリアの場合、月給25万円に届くまでの道のりはやや複雑です。スキルの蓄積や専門性があれば比較的早く到達できますが、安定的な昇給制度がない場合、時給換算ではこの水準に届かないケースもあります。たとえば時給1,500円でフルタイム勤務(月160時間)しても、月収は24万円にとどまり、社会保険料などを差し引くと手取りではさらに少なくなります。

また、業界によってもキャリアの伸び方は異なります。ITや金融、専門職などは20代で25万円に到達する例も多く見られますが、介護・飲食・販売といったサービス業では、長年の勤務を経ても25万円に届かないこともあります。そのため、将来的な収入の見通しやキャリアパスを重視する場合、早い段階で業界選びや職種の方向性を見直す必要が出てくるかもしれません。

職種・業界 月給25万円に到達する目安年数 到達までの特徴・条件
営業職(法人・個人) 入社2〜4年目 売上達成による昇給やインセンティブ。早ければ20代半ばで達成。
事務職(一般・営業事務) 入社4〜6年目 業務経験と勤続年数が影響。大手企業や専門スキルがあると早期達成も可能。
IT系(エンジニア・社内SE) 入社2〜3年目 技術力や資格による昇給が早く、20代での到達例が多い。
介護・保育・飲食・販売 入社5〜10年目(または未達) 手当込みで到達するケースが多く、基本給は伸びにくい傾向。
専門職(税理士補助・設計補助など) 実務経験3〜5年目 専門知識や資格取得がカギ。スキル次第で昇給が見込める。
契約社員・派遣社員 スキル次第(即時〜数年) 職種により時給1,500円〜1,700円で月給25万円相当も可能だが、安定性に課題。

月給25万円は何歳くらいの人に多いのか?

月給25万円の人が多い年齢層は?
20代後半
〜30代前半
【平均的な水準】

新卒入社から数年が経過し、昇給を経てこの金額に達する方が多くなります。
具体的には25歳〜30歳前後が目安です。

業種や職種(専門職や営業職など)によっては、これよりも若くして到達するケースもあります。

30代後半
〜40代
【平均よりも低い傾向】

正社員として長年勤めている場合、一般的には月給30万円前後にシフトしていくのが自然です。

この年齢層で月給25万円にとどまっている場合、昇給のペースが緩やかだったり、役職がついていないなどの背景が考えられます。

※厚生労働省「賃金構造基本統計調査」などのデータに基づいています。

月給25万円という給与水準は、「今の自分は平均なのか、それとも遅れているのか」といった疑問を抱くきっかけにもなります。とくに年齢との関係性は気になるところで、自分のキャリアや収入が周囲と比べてどの位置にあるのかを把握したいと考える方も多いでしょう。ここでは、国の統計データをもとに、月給25万円の人が多い年齢層について見ていきます。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」や国税庁の「民間給与実態統計調査」などによれば、月給25万円は主に20代後半から30代前半にかけて多く見られる水準です。新卒入社の初任給は、大学卒であっても20万〜22万円前後が一般的であり、1〜2年の勤務ではまだ25万円に届かないケースが多いのが現実です。

企業の昇給制度や評価制度にもよりますが、年に1回の昇給で月に数千円〜1万円程度上がるペースであれば、入社3〜5年目で月給25万円前後に到達するケースが多く見られます。年齢でいうと25歳〜30歳前後が一つの目安となるでしょう。もちろん、業種や職種、企業の規模によって差はあり、専門職や営業職など成果が数字に反映されやすい職種では、20代前半でもこの金額に達する例もあります。

一方、30代後半〜40代で月給25万円の場合は、やや低めの水準と捉えられる傾向があります。特に正社員として長年勤務している場合は、一般的に30万円前後の給与水準にシフトしていくのが自然な流れであり、それに比べて月給25万円にとどまっている場合、昇給が緩やかである、役職がついていない、あるいは転職や雇用形態の変化があったといった背景が考えられます。

20代・30代の平均月収と比較するとどうか?

まず20代前半(20〜24歳)の平均月収は、男女合算でおよそ20万円前後。これは新卒入社の初任給に近く、大学卒・短大卒・高卒などの学歴差によっても多少の開きはあるものの、ボーナスや手当を含めない基本給ベースでは20万円前後がボリュームゾーンです。まだ入社して間もないこともあり、大半の人は月給25万円には届いていません。

次に20代後半(25〜29歳)になると、平均月収はやや上がり、23万〜25万円程度に達します。職種や企業規模によって差はあるものの、経験年数が3〜5年となるこの層では、昇給が進み月給25万円を超える人も増えてきます。したがって、月給25万円は20代後半では「平均的かやや上」の水準にあたると考えてよいでしょう。

30代に入ると、平均月収はさらに上昇します。30〜34歳の平均月収は約27万円前後、35〜39歳では28万円〜30万円近くになるケースもあります。このため、30代で月給25万円にとどまっている場合は、統計的には「やや低め」の水準と見られることになります。もちろん、地域や業界、企業の規模によって実情は異なりますが、30代になると年収全体の引き上げが求められる時期に入ってくるといえるでしょう。

なお、ボーナスや各種手当を含めた年収ベースでの比較では、さらに違いが広がります。同じ月給25万円でも、年間の賞与額や残業代の有無によって年収には数十万円以上の差が出ることもあるため、「月給だけ」で比較する際には注意が必要です。

学歴や職種によって差はある?

学歴による違いについて見てみます。厚生労働省の統計によると、初任給の段階から大卒と高卒では約2万〜3万円の差があることが一般的です。大卒の初任給は平均で21〜22万円前後、高卒では18〜19万円前後とされており、社会人1年目からすでに月給に差が出始めます。この傾向はその後の昇給ペースにも影響しやすく、年功序列型の企業では、大卒のほうが早く月給25万円に到達する傾向があります。

とはいえ、近年は「実力主義」や「職務給」の考え方が浸透しており、学歴よりもスキルや成果が重視される企業も増えています。特に中小企業やスタートアップでは、即戦力としての能力が評価されやすく、学歴による固定的な給与差は縮小傾向にあるともいえます。

次に、職種による違いも大きな要因です。たとえば、営業職やITエンジニア、技術職などは比較的早期に月給25万円を超える傾向があります。営業職ではインセンティブが支給される場合が多く、基本給が抑えめでも成果次第で月給25万円以上に届くケースもあります。IT職では、スキルが評価されやすく、若手のうちから高めの給与が設定されていることも珍しくありません。

一方、事務職やサービス業、販売職などは、スタート時点の給与が比較的低めで、昇給のペースもゆるやかになりやすい傾向があります。特にルーチンワークの多い職種や、職能評価が明確でない職場では、月給25万円に達するまでに時間がかかることもあります。

また、専門資格の有無も影響します。たとえば、建築士や電気工事士、看護師など、資格が業務に直結する職種では、資格手当が加算されることで月給が底上げされることがあります。逆に、無資格・未経験でも就ける職種では、月給25万円に届くまでの道のりが長くなる可能性もあります。

都市部と地方では年齢層が異なる?

東京都や大阪府、愛知県といった都市圏では、物価や家賃が高いため、企業の賃金水準も相対的に高く設定されています。こうした地域では、大学卒の総合職が入社3〜5年目で月給25万円に到達するケースが多く、20代後半〜30代前半の若手社員に該当することが一般的です。また、IT系や専門職など給与水準の高い業界では、20代前半でもすでに月給25万円を超えている人も珍しくありません。

一方、地方では全体的な賃金水準が抑えられる傾向があり、同じ月給25万円であっても、より上の年齢層に該当するケースが多くなります。たとえば、30代中盤〜40代前半でようやく月給25万円に届くといった例もあり、これは企業規模の違いや地場産業の給与構造が背景にあります。地方では中小企業が多く、昇給のペースも比較的ゆるやかであることが多いため、年齢を重ねてからようやく25万円台に到達する、という人も少なくありません。

また、地域によっては職種そのものに限りがある場合もあります。都市部では多様な職業選択肢があり、給与交渉や転職による収入アップのチャンスが得られやすい一方、地方では業界やポジションが限られており、給与水準そのものが頭打ちになりやすい構造があります。その結果として、都市部では20代の月給25万円、地方では30代後半〜40代での月給25万円が一般的というように、年齢層に地域差が出るのです。

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