どん底から逆転するような転職をした経験を持つ方にインタビューし、そのエピソードを語っていただく『どん底逆転職エピソード』。
今回は、大学新卒の就活に失敗して就職浪人からの3年間のフリーター生活でどん底な状態から転職し、見事にこれまでの自分からキャリア逆転に成功したS.N.さんにお話をお伺いしました。
注
このエピソードは、編集部に寄せられた転職エピソードを元にインタビュー形式で再構築しています。

新卒就活に失敗して就職浪人→フリーター3年でどん底に沈む

まずは、あなたの経歴を簡単に教えてください。
4年制大学を卒業後、3年間ほどスポット派遣のバイトで食いつなぐフリーターをしていました。
スポット派遣時代は低賃金で収入も安定せず、体力的にも精神的にも負担が大きかったです。
「このままじゃダメだ」と一念発起し、就職活動を再開した結果、Web制作会社に正社員で就職できました。

大学時代はどういった就職活動をしていたのですか?

志望業界は広告業界で、最終面接まで進めた企業はあっても内定はなかなかいただけず。
そうして面接に落ち続けるうちに、別の業界も受けて「とりあえず内定をもらおう」とやりたい仕事が明確に定まらないままに就職活動をしていました。
パチンコ屋、携帯ショップ、半導体工場の製造スタッフなどいくつか内定をいただきましたが、どれもしっくりこなくて……「自分がやりたかった仕事ではないな」と結局すべて内定辞退。
その後も「ピンとこない仕事で不安を抱えたまま新卒就職したくない」という考えで就活浪人という形で半年留年し、新卒として就活していました。
そのうち就活に対するモチベーションを失って、卒業後3年近くフリーターをしていました。
今思えば、どんな形でも新卒で就職しておけばよかったと思いますね。

大学卒業後はスポット派遣をしていたとのことですが、どういったことをされていたのですか?
スポット派遣で、物流倉庫のピッキングや運送会社の倉庫作業、機械の解体、食品製造、製本、チラシのポスト投函、ライブ会場の警備やステージ解体など、さまざまな現場で働いていました。
交差点で6時間椅子に座って不動産屋の看板を持ち続ける現場にも行きましたよ。
スマホも禁止されていたのでただただ虚無の時間でした(笑)

どれも最低賃金に近く体力仕事、仕事を取るのは先着順で不安定、遠くの現場に駆り出されても交通費は全額出ないなど、正直収入は良くなかったですね。
頑張って色んな現場で週6日仕事を入れて、日曜日は1日中寝て、また月曜から働いての繰り返しで、就職活動なんてする暇もなかったです。
それだけやっても収入が上がるわけでもない。本当に人生のどん底にいる気分でした。
どん底脱却の転機は友人に感じた劣等感

その後、正社員で就職できたとのことですが、転機はなんだったのでしょう。
やっぱり、一番大きかったのは劣等感ですね。
大学時代の友人は新卒3年目を迎えているのに、自分にはなにもない。
会っても近況トークで話せるネタがない。
そういった劣等感から、せっかく遊びに誘ってくれているのに連絡を返せず疎遠になっていきました。
あの時期はかなり苦しかったです。

そもそも新卒時代に「やりたい仕事ではない」としっくりこなくて内定辞退したのに、やりたかった仕事とはほど遠い仕事をスポット派遣でやり続けても何も将来に繋がらないなと。
体力に自信がなく力仕事は嫌だったのに、ずっと最低賃金のスポット派遣で力仕事を続けて疲弊していたわけですから。
改めて「やりたい仕事ってなんだったっけ」と考えた結果「やっぱり宣伝に関わる仕事に再挑戦したい」と思い直し、スポット派遣を辞めて就職活動を再始動させました。
面接で伝えた「今がどん底、ここから這い上がりたい」

Web制作会社の正社員で就職できたとのことでしたが、就活再始動後何社目での合格でしたか?
また、どういった経緯でその会社の面接を受けようと思いましたか?
ありがたいことに1社目でした。
たまたま登録していた求人サイトにスカウトメッセージが届き、大学生の頃に自分でWebサイトを立ち上げて運営していた経験があったので、その経験がWeb制作の仕事に活かせないかと思ったことがきっかけで受けた会社です。
新卒で就活していた頃は、Webに関わる仕事は情報系学部を出たコーディングがバリバリできる即戦力級のプロフェッショナルしか採用されない仕事だという思い込みがありました。
恥ずかしながら、ここに至って未経験者でも採用される可能性があると知りました。
会社にもよると思いますが、実際のWeb制作の仕事だと分業化が進んでいるので、簡単なコード編集はあってもプログラミングをすることは殆どありませんでしたね。
- 広告・宣伝に関する仕事がしたい(大学時代)
- 自分でWebサイトを立ち上げて運営した経験
- 趣味で触れたからこそWebを仕事にするには
プログラミングなどのハードルが高いと誤解 - 紙媒体の広告制作会社の面接を受けていた
- Webの未経験歓迎求人を見つけて誤解が解ける
- 企業の広告・宣伝に関わる仕事かつ
過去の経験が活かせるWeb制作会社に応募 - \未経験から挑戦!/
- いざやってみると自分の過去の経験を
Web制作の実務でも活かすことが出来た!

面接ではどういった形で熱意を伝えたのですか?
「大学時代の友人とは3年の差がついているので、御社での1年が友人との3年の差を埋める1年としたい」
「今のこの現状は今までの人生の中でどん底だと思っていて、ここからどん底を更新しないように御社で這い上がりたい」
といったことを社長面接でお伝えました。
これが『どん底逆転職エピソード』だからというわけではないのですが、これは本当に面接で言った実話です。
面接の場での言葉遣いとしてはあまり適切ではないと思うので、おすすめはしません(笑)
当時は社会人として何もキャリアがないので、本当に現状を変えたい必死な気持ちだけでした。
転職は成功だったか、キャリア形成に繋がったか

実際にそこで働くことになり、友人との3年の差は埋められましたか?
友人も3年間遊び呆けていたわけではありませんし、私が正社員として働いた1年間、友人ももちろん働いていました。
実際に差を埋めれたとは思いません。
ですが、少なくともフリーター時代に感じていた劣等感はなくなりました。
大学時代の友人に気後れすることなく、また一緒に遊びにいけるようになったのは大きかったですね。

私自身もその会社で数百社の顧客のWebサイト立ち上げと顧客への問い合わせ・成約促進に携わったのち、チームリーダーに昇格。
実務だけでなくチーム管理や業務フロー整備、教育体制・評価制度の整備、他部署との折衝などさまざまな経験をさせていただけました。
入社から数年後、社長と話す機会があり面接のときのことを聞くと「あまりにも必死で可哀想だったから社会貢献のつもりで採ったけど、よくここまでやってくれた」と。可哀想枠だったようです(笑)
現在はその会社は退職して別の会社で勤務していますが、その会社で経験したことが今の自分の糧となっています。
間違いなく、その会社への転職は成功でした。
当時のその会社で拾っていただいたこと・育てていただいたことは今でも深い恩義を感じています。
いま、どん底にいると感じている求職者に向けて

ご自身の経験から、いま、どん底にいると感じている求職者に向けてかけられる言葉があればお願いします。
実際、私自身よりももっと苦しい境遇にいる方はいると思いますし、私の事例を見て「こんなのは全然どん底じゃない」という方もいるでしょう。
ですが、私が大切にしたのは「他の人は関係なく、『自分の人生の中でこの時期が一番どん底な時期だった』と言えるぐらい、ここからキャリア逆転していきたい」という思いでした。
私は転職を通じて「どん底からのキャリア逆転」ができたと思います。
いま、自分がどん底にいると感じている方はぜひ、一歩踏み出す勇気を持って、ぜひ転職活動を成功させてください。

ありがとうございました!!
- 自分の中のどん底から抜け出す強い意志
- これからの自分をより良くする成長意欲
- 一歩を踏み出して再挑戦する勇気