転職先に入社して1ヶ月、「この職場、なんだか違う」と感じていませんか?
毎朝気が重くなるのに、辞める決断をするのも早すぎる気がして迷ってしまう自分を責めていませんか。
実は、短期間で「転職先が合わない」と感じる人は少なくありません。
ただし、転職先を1ヶ月で辞めると今後の転職活動で不利になる可能性があるのも事実です。
転職1ヶ月での退職リスク
実データと注意すべきポイント
転職後1ヶ月未満で退職する人は
全体の約2.4%が存在します
短期間で「転職先が合わない」と感じる人は少なくない現実
退職理由が明確にあるかどうかで、転職活動への影響も変わってくるため、1ヶ月で辞めてもいいケースと辞めないほうがいいケースは確認しておきましょう。
当記事では、辞めるべきかどうかの判断基準や辞めたいと感じたときに実践できる対処法を解説しています。
転職先が合わず1ヶ月で辞めたいと感じている方は、是非参考にしてください。
転職先が合わなくて辞める人の割合は?1ヶ月未満の退職者は約2.4%
転職後の早期退職実態
厚生労働省データに基づく分析
転職者の2.4%が1ヶ月未満で退職
厚生労働省が公表した「令和2年転職者実態調査」によると、転職後1ヶ月未満で退職する人の割合は全体の約2.4%です。
割合だけを見ると少なく感じるかもしれませんが、実際には入社してすぐ「職場が合わない」と感じる人もいます。
勤続期間 | 割合(%) |
---|---|
1ヶ月未満 | 2.4 |
1年未満(合計) | 26.9 |
3年未満(合計) | 46.6 |
募集内容と業務が違っていたり、ハラスメントが見られたりと、深刻な理由があるケースでは1ヶ月での退職もやむを得ません。
入社してすぐに違和感を覚えた場合は、無理に我慢せず冷静に判断することが大切です。
早めの行動が、心身を守る結果につながることもあることを覚えておきましょう。
転職者の約26.9%が1年未満で離職している
転職者のおよそ4人に1人が1年未満で会社を辞めているというデータがあります。
これは厚生労働省の調査に基づくもので、早期離職が決して珍しいことではないとわかります。
勤続期間 | 割合(%) |
---|---|
1ヶ月未満 | 2.4 |
3ヶ月未満 | 6.9 |
6ヶ月未満 | 15.3 |
1年未満(合計) | 26.9 |
理由としては、入社してからミスマッチに気づく人が多いためです。
たとえば、実際に働いてみると、社風が合わなかったり、評価制度が不透明だったりして、徐々に不満が募るケースが見られます。
このように、1ヶ月での退職が少数でも、1年以内に見切りをつける人は意外と多いのが現実です。
無理に続けるより、自分に合う環境を探す判断も正解と言えるでしょう。
転職先を1ヶ月で辞める主な理由は職場環境や人間関係
転職先を1ヶ月で辞めたいと思う理由の多くは、職場環境や人間関係への不満にあります。
入社前に自分が持っていた印象と実際の雰囲気が違うと、不安や孤独感が増して心が折れやすくなります。
- 仕事の内容や労働環境に納得できない
- 正当な評価を受けられず自分の能力を十分に活かせない
- 職場の人間関係や社風に馴染めない
- キャリアプランや目標が会社の方向性と合わない
たとえば、同僚との距離感がうまくつかめなかったり、上司の言動が威圧的だったりすると、1日が過ぎるのが苦痛になるかもしれません。
人間関係のストレスは、仕事内容以上に早期離職の決断に直結します。
環境が合わないと感じたまま我慢を続けると、心や体に悪影響を及ぼす恐れもあるため、早い段階で見直しましょう。
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仕事の内容や労働環境に納得できない
転職して間もない時期に辞めたくなる理由として多いのが、仕事内容や職場環境に対するギャップです。
入社前に想像していた業務と実際の内容が違っていた場合、強い不信感が生まれます。
想像と現実でギャップを感じる例 | |
---|---|
業務内容 | 面接で話した内容とまったく違う |
職場の設備 | デスクが狭く照明も暗い |
労働時間・残業 | 定時退社と聞いていたのに連日残業 |
休憩・福利厚生 | 休憩が短く福利厚生も最低限 |
たとえば、営業職で応募したのに、実際は事務作業が大半だったというケースもあるでしょう。
また、空調が効かず暗い職場で、休憩もまともに取れない環境だったという人もいました。
違和感を見過ごして働き続けると、心身に負担がかかるため、直感とも向き合うようにしてください。
正当な評価を受けられず自分の能力を十分に活かせない
転職後すぐに辞めたいと感じる背景には、評価の不透明さや実力が発揮できない環境も関係しています。
期待していた役割と実際のポジションが異なると、やる気が低下してしまうでしょう。
- 資格を活かせず雑務ばかりでスキルと業務が一致しない
- 評価制度が不明確で成果を出しても給料が変わらない
- 上司の指導がなく成長の機会が得られない
- 意見を求められず会議でも発言できない
たとえば、マネジメント経験を評価されて採用されたのに、単純作業を繰り返す日々が続いていると、自信を失うきっかけになります。
上司からフィードバックもなく、頑張っても手応えがない職場では早期離職につながりやすいです。
自分の能力を十分に活かせない職場では、自分のキャリアビジョンを保てなく可能性も大いにあるでしょう。
職場の人間関係や社風に馴染めない
転職先を早く辞めたくなる原因として、人間関係や社風への違和感も見逃せません。
どれだけ業務に興味があっても、居心地の悪さは日々のモチベーションを奪っていきます。
たとえば、周囲が私語を一切しない静かな職場に戸惑ったり、上司の指示が一方通行で相談の余地がないような環境では、孤立感が深まります。
人間関係が築けない職場では、自然と自信も失われていくでしょう。
- 職場の人との会話がほとんどない
- 質問をしても回答がなく上司は一方的な指示しかしない
- 成果より年功序列が優先されるなど社風が自分の価値観と合わない
- 飲み会や私的交流が強制される
もし「ここには馴染めない」と感じるなら、無理に合わせようとしすぎる必要はありません。
人間関係の相性は、転職理由として十分に正当なものであることを認識しておきましょう。
キャリアプランや目標が会社の方向性と合わない
将来のビジョンと会社の目指す方向がずれていると、転職先が合わないと感じやすくなります。
最初の1ヶ月で違和感を持ったなら、その直感を無視しないことも大切です。
方向性の相違例 | |
---|---|
成長のチャンスがない | 新しい仕事を任せてもらえない |
年功序列 | 実力よりも在籍年数で評価される |
意見を出せない雰囲気 | 提案しても受け入れてもらえない |
働き方が合わない | 副業禁止・リモート非対応など |
たとえば、成長志向で挑戦したくて入社したのに、現場では変化を避ける風土が強く、意見を言う機会もほとんどないというケースもあります。
年功序列が根強く、努力や実力よりも在籍年数が重視されると感じたという声も少なくありません。
方向性が違う場所で働き続けると、やりたいことを我慢する毎日になってしまいます。
自分のキャリアの軸を大切にする姿勢は、決してわがままではないため、抑え込まないようにしましょう。
転職先が合わないときは1ヶ月で辞めてもいい?辞めるかどうかの判断基準を紹介
転職先が合わないと感じたら1ヶ月で辞めるという判断も間違いではありません。
たとえば、入社してすぐに違和感を覚えたとしても、それが慣れていないだけの場合もあります。
一方で、労働条件の違いやハラスメントなど、明らかな問題がある職場で無理を続けるのは危険です。
- 労働条件
試用期間の取り決めや評価基準が明確に提示されているか - 職場環境
過度な残業やサービス残業が常態化していないか - 人間関係・社風
上司や同僚と基本的な意思疎通ができているか - 業務内容
教育・指導体制が整っているか、放置されていないか - キャリアの方向性
転職先で経験を積むことが中長期の目標につながっているか - 健康状態
出社が苦痛になっていたり、体調に変化が出ていないか
すぐ辞めるべきか、少し様子を見るべきかは、「体調」「職場環境」「価値観のズレ」など、総合的な視点で判断しましょう。
自分を守る選択をするためにも、判断基準を持つことが大切です。
転職後1ヶ月で辞めてもいいケースは法的・倫理的に問題がある職場
転職後1ヶ月で辞めてもいいケースは、法的・倫理的に問題がある場合です。
法令違反やハラスメントがある職場であれば、1ヶ月で辞めても問題ありません。
退職を検討するべき職場の特徴 | |
---|---|
法的問題 | 残業代の未払い、休日出勤の強制 |
ハラスメント | パワハラ・セクハラ・モラハラが日常化 |
契約違反 | 労働条件が面接時と明らかに異なる |
労務管理の不備 | 有休が取れない、勤務記録が残されない |
たとえば、「残業代が支払われない」「就業規則にない業務を強制される」「上司から暴言を受ける」といった例は、明らかな労働基準法違反にあたります。
そのまま働き続ければ、心身の健康を損なうリスクも高まります。
どんなに短期間でも、不当な扱いを受けたと感じた際は、すぐに辞めるという選択をしましょう。
転職後1ヶ月で辞めないほうがいいケースは慣れていないだけの可能性があるとき
転職後1ヶ月で辞めないほうがいいケースは、業務や職場環境に慣れていないだけの可能性があるときです。
環境が変わると緊張や不安が強くなり、ネガティブに考えがちです。
- 業務内容を覚えられない
- 職場の雰囲気に馴染めず疎外感がある
- 自信が持てない
- 仕事にやりがいを感じない
たとえば、仕事の手順がまだ把握できず、自分だけが遅れていると感じてしまうことがあります。
職場の人とも信頼関係が築けていない段階では、孤立しているように感じるのも当然です。
新しい環境に慣れるには一定の時間がかかりますが、焦らず、もう少しだけ様子を見るようにしましょう。
転職先が合わないからと1ヶ月で辞めるデメリットやリスク
転職先が合わないからと1ヶ月で辞めると、今後の転職活動に影響が出る場合があります。
特に、短期離職は採用側からマイナスに見られやすいため注意が必要です。
- 今後の転職活動で不利になる可能性がある
- 失業保険(基本手当)を受給できない場合がある
- スキルや経験が身につかない
- 仕事をすぐに辞める癖がつきやすい
たとえば、「忍耐力がない」「責任感に欠ける」と判断され、書類選考の段階で落とされるケースがあります。
また、自己都合退職に該当するため、失業保険の給付も受けられない場合があります。
転職先を1ヶ月で辞めるデメリットやリスクをを知らずに退職してしまうと後悔が残りかねません。
辞める前にリスクを明確にしておくことで、後の行動が後悔につながりにくくなるでしょう。
今後の転職活動で不利になる可能性がある
転職先を1ヶ月で辞めた場合、今後の転職活動において不利になる可能性があります。
短期間の職歴が複数あると「定着性が低いのでは」と疑われやすく、書類選考で不採用になるケースもあります。
- 定着力に不安があると判断されやすい
- 書類選考で職歴が多いことがマイナスになる
- 面接で退職理由を深く掘り下げられる
- 「計画性がない」と捉えられる恐れがある
- 入社後すぐ辞める懸念から採用を見送られる
面接でも退職理由の説明が求められ、納得のいく答えがないとマイナス評価につながる恐れがあります。
キャリアに空白期間をつくらないためにも、辞める際は次のステップを明確にしておくことが大切です。
失業保険(基本手当)を受給できない場合がある
転職先を1ヶ月で辞めると、失業保険(基本手当)を受け取れない可能性があります。
失業保険を受け取れない主な理由は以下のとおりです。
- 雇用保険の加入期間が12ヶ月に満たない
- 自己都合による早期退職に該当する
- ハローワークへの申請が遅れてしまった
- 退職後すぐに転職活動を始めていない
- 給付条件を満たす証明が不十分だった
たとえば、雇用保険の加入期間が12ヶ月未満だと、原則として給付対象外になります。
また、自己都合で早期離職した場合は、給付までの待期期間も長く設定されることがあります。
参考:厚生労働省|雇用保険受給者のみなさまへ
金銭面で困らないよう、退職前に制度の仕組みを把握しておくようにしましょう。
スキルや経験が身につかない
転職先が合わず1ヶ月で辞めてしまうと、スキルや経験が十分に身につかない可能性があります。
職務内容が限定的で、成長の機会がほとんどない環境では自己投資になりません。
- 業務が単純作業に偏っている
- 教育制度や研修の機会がほとんどない
- 上司や先輩からのフィードバックがない
- 自分の成長を実感できる場面がない
たとえば、雑務ばかり任される・マニュアル通りの作業ばかりで考える余地がないなど、将来のキャリアに直結しない仕事を続けることがあるかもしれません。
また、研修制度がなく質問もできない環境では、スキルアップも難しくなります。
今後の転職活動でも、職歴が増えるだけで中身が伴わないと判断されやすくなります。
辞める・続けるにかかわらず、自分にとってプラスになるかを見極めるようにしましょう。
仕事をすぐに辞める癖がつきやすい
転職先を1ヶ月で辞めると「またすぐ辞めてもいいや」という思考が習慣化する恐れがあります。
仕事をすぐに辞める癖がつくと、どんな環境でも不満を感じた瞬間に逃げる判断をしてしまいがちになります。
- 合わないと感じたら即判断してしまう
- 入社前と違う点を過剰に気にしやすい
- 他人に相談せず自己判断で動いてしまう
- 次の転職先を探す前に辞めることが多い
- 「環境のせい」にしてしまう癖がある
たとえば、入社初日に合わないと感じて翌月に退職した経験があると、次の職場で壁にぶつかったときも「前も辞めたし」と思ってしまう傾向があります。
その結果、職場を変えても同じ理由で辞めるサイクルを繰り返すことになります。
短期離職を当たり前にしないために、辞める前に振り返る時間を持つようにしてください。
転職先が合わず1ヶ月で辞めたいときの対処法
転職先を1ヶ月で辞めるか迷ったらすぐに結論を出すのではなく段階的な対処を試してみましょう。
なぜなら、感情的な判断だけで辞めると後悔につながることもあるからです。
- 働く期限を決めて様子を見る
- 上司や人事・同僚に相談する
- 転職エージェントやキャリアカウンセラーを活用する
たとえば、「あと2週間だけ頑張る」「相談できる人に話す」といった行動で、状況が少しずつ改善するケースもあるかもしれません。
孤独や不安は、誰かに共有するだけでも軽くなることがあります。
結論を急がず、行動したうえで納得のいく判断ができれば、次のステップにも迷いが残らないでしょう。
働く期限を決めて様子を見る
転職先に違和感があるときは、辞める前に一定期間だけ働く期限を設けてみましょう。
理由は、一時的な感情や慣れない環境による不安と、本当に合わない状態を見極めやすくなるためです。
- 感情に左右されず冷静な判断がしやすくなる
- 明確な目標ができる
- 気持ちに余裕が生まれる
たとえば、「あと1ヶ月だけ様子を見よう」と決めれば、その期間は冷静に職場を見る意識が持てます。
無理なく期限を区切ることで「頑張るのはここまで」と心のゆとりも生まれます。
結論を出す前に試せるアクションとして、働く期限を決めて様子を見てみてください。
上司や人事・同僚に相談する
職場での悩みはひとりで抱え込まず、上司や人事、信頼できる同僚に相談してみましょう。
理由は、第三者の視点が加わることで自分では気づけなかった解決策が見つかる可能性があるからです。
仕事の相談相手は、主に以下の3タイプにわけられます。
相談相手 | 特徴 |
---|---|
上司 | 業務や配属変更など職務面での 直接的な対処が期待できる |
人事 | 客観的な立場で 職場環境や制度面の対応が可能 |
同僚 | 現場のリアルな意見や共感が得やすい |
たとえば、「仕事量が多くてしんどい」と伝えた結果、業務の調整やサポート体制の見直しが行われたケースもあります。
思い込みで合わないと判断していた部分が、実は改善可能だったという例も少なくありません。
悩みを外に出すことで、客観的に状況を見直すきっかけを得ることができるでしょう。
転職エージェントやキャリアカウンセラーを活用する
転職に迷ったときは、転職エージェントやキャリアアドバイザーなどプロの意見を取り入れることで判断の質が高まります。
理由は、自分では気づけない強みや可能性を客観的に指摘してもらえるからです。
たとえば、「この会社に合わない」と感じていた相談者に対し、エージェントが業界とのミスマッチを分析し、希望条件に合った企業を提案したというケースがあります。
キャリア相談サービスの活用例 | |
---|---|
転職エージェント | 求人紹介や面接対策だけでなく 現職へのアドバイスも可能 |
キャリアカウンセラー | 転職すべきか残るべきか 人生設計を含めた中立的な提案がもらえる |
ひとりでは難しいキャリアの棚卸しも、専門家と一緒なら効率的に進みます。
決断に迷ったら、転職エージェントやキャリアカウンセラーなど第三者の視点を活用して、自分の選択をクリアにしてみましょう。
まとめ:転職先が合わず1ヶ月で辞める場合は今後を見据えて慎重に判断する
転職先が合わず1ヶ月で辞める場合は今後を見据えて慎重に判断しましょう。
短期離職は、今後の転職活動に悪影響を及ぼす可能性があるためです。
- 今後の転職活動で不利になる可能性がある
- 失業保険(基本手当)を受給できない場合がある
- スキルや経験が身につかない
- 仕事をすぐに辞める癖がつきやすい
たとえば、職場に慣れないだけで判断してしまうと、本来得られたはずの経験を手放すことにもなりかねません。
一方で、ハラスメントや法的問題がある場合は、早めの退職を検討する必要があるでしょう。
- 辞めたい理由は一時的なものではないか
- 法令や職場環境に重大な問題がないか
- 次のキャリアを考えたときに後悔しないか
最終的に仕事を辞める決断をする場合は、キャリアアドバイザーなど転職のプロと一緒に次の選択を冷静に考えるのがおすすめです。